三次元ソフト、カシミールが人気を呼んでいるという。
実業之日本社から出版された杉本智彦著「カシミール3D入門」にソフトと地図データーがCD-ROMで収録されていてパソコンがあれば、気楽に高精密な3D地図が楽しめるとあって、AGCメンバーもちらほら楽しんでいる方がいるが、93年最初の例会で会員の牧田一雄氏による、実際にPCを操作しながら、「カシミール」によってどういうことができるのか、基礎的な勉強会が開催された。
カシミール3Dは3次元の地図ソフトであるが、驚くほどたくさんの機能がある。レリーフ表現された地形図上で、あたかもそこにいるかのように地図の中で山や谷を飛び回ることができ、自分だけのオリジナル地図を作成したり、GPSと組合わせて実際に歩いた道筋を再現することもできる。地形の断面を見ながらルート図を作成することや、特定の山頂が遠く離れたどの地点で確認できるのかなど、多様な使い方が可能になる。しかもベースとなる地形図は国土地理院の発行している数値データー以外に世界各国のデーターが使え、場合によっては地球以外の星のデーターも扱えるようだ。
レリーフされた地図は、光線の方向によって立体の見え方がどのように変化していくのかも、実際に操作してみてはじめて解るが、通常見慣れているせいもあって、やはり斜め左上からの陰影がいちばんしっくりいくようだ。また色分けもいくつかの指定ができ、夏の色合や冬の色で雰囲気もかなり変わり、自分の好みの環境をつくりだすことができる。
とくにこのソフトに収録されている「カシバード」はどこからでも実際に見る山岳景観が表現でき、山容の精度も欲をいえばきりがないが、なかなかリアルであった。通常行けないような場所からの景観もシミュレーションでき、鳥になった気分で風景を眺めるのもなかなか興味深い。
「可視マップ」を「見る」という意味でつけられたそうだが、この豊富な機能はやはり実際に使ってみなければなかなか理解できないもので、AGC(山岳地理クラブ)としても是非マスターして、新しい使い方を模索していきたい。
(2003/1/8例会にて・近藤記)