AGC フィールドワーク

  

川口のお富士さん巡り

鎌田正彦

2018年3月31日(土)北野忠彦、平野彰、大西攻、渡辺真一、鎌田正彦(報告)5人のメンバーが埼玉高速鉄道の川口元郷駅に10時30分に集合し、同駅から埼玉高速鉄道東川口駅までの途中駅で下車し川口市内5か所のお富士さん巡りを行った。当日は天候に恵まれ気温20℃春爛漫の中最初のお富士さんのある川口神社を目指してスタートした。駅前は鋳物の街のイメージから一変して高層ビルが立ち並び街の発展を目の当たりにした。駅から国道122号に出、芝川を渡り15分ほど歩いたところで到着。

川口神社は元「氷川社」と称され930年平安時代の昔からの川口の総鎮守。桜が咲く境内に入るとすぐ左前方に小柄な鳥居がありその奥に高さ5mほどの富士塚が見えた。小岩で築かれた幅50cmほどのジグザグの登山道を登り大きな参拝記念碑の建つ頂上に立った。全員で記念撮影し下山。境内には鋳物師の守護神「金山神社」が祭られていた。本殿に参拝し川口元郷駅に戻り次の氷川神社の青木富士塚に向かった。

氷川神社は1860年江戸時代の築造。南鳩ヶ谷駅からバスで5分。大きな鳥居をくぐり境内に入ると小さな鳥居と青木富士塚が目に入った。浅間神社のお社に参拝し、富士遥拝所の石碑のそばから緩やかな石段の登山道を一回りして頂上に立った。そこには安産、子育て、家内安全のご利益が授かる母犬と子犬の「撫で犬」像が鎮座していた。境内には天神社、稲荷神社等々の神社が祀られていた。さらに社の裏に回ると直径が2m近くあろうかと思われる大欅「元気の木」が祀られていた。この大樹に気を静め両手を拡げて1分間抱きつくと大きなパワーが得られるとのこと。順番待ちしながらも皆で抱きつき、元気を頂いて本殿に参拝、南鳩ヶ谷駅に戻り次の神根富士塚に向かった。

神根富士塚は新井宿駅からグリーンセンター脇の見沼代用水東縁を経て徒歩30分。見沼代用水は江戸時代の中ごろ見沼の広大な沼沢地の新田開発の目的で利根川から60kmに亘って新たに構築された2本の運河(見沼代用水東縁と沼代用水西縁)で下流は荒川に繋がっている。13時過ぎ用水堤防の満開の桜の下で少し遅い昼食をとった。入り混んだ道を辿ってお富士さんに到着したものの、現地はちょうど工事中で富士塚は解体されて登頂は出来なかった。富士塚を構成していた岩や石碑が一か所に纏められていたので記念に写真に収めた。川口市立医療センターまでバスで引き返し。再び歩いて新井宿駅に戻って次の東沼神社の富士塚に向かった。

東沼神社は東川口駅からバスで約10分、差間二丁目バス停から歩いて5分。天正元年(1573年)以前に浅間神社として創立され、明治40年に今の東沼神社に改称された。境内に入ると円錐形をした富士山にそっくりな高さ8m、裾野30mの富士塚があった。神社の立て札によると2012年にこれまで風雨によって壊れた富士塚を富士山の縮尺五百分の一の「見沼の富士山」として復元されたものであり、頂上からは遠く富士山を望み日の出を拝むことが出来るとのこと。実際頂上に立つと足元の土はフワフワとしており、裾野まで背丈の低い草に覆われて、いかにも若々しい富士山を感じた。本殿を参拝しお神酒を頂いたあと次の木曽呂の富士塚に向かって見沼代用水東縁を歩いた。川沿いには満開の桜が延々と続いていた。用水は満水に近い水を湛え、川面には桜の花びらがびっしりと浮かび滔々と流れていた。緑に包まれた川口自然公園の前を通り過ぎ、用水を挟んで左手に森、右手に畑、さらに遠くにJR武蔵野線を見ながら長閑な田園風景の中を進んだ。やがて用水を渡り民家の間を通り抜け小高い森の上の木曽呂の富士塚に到着した。

木曽呂の富士塚は東沼神社から見沼代用水東縁を歩いて30分。寛政12年(1800年)に見沼代用水と通船堀の連結点の縁に築造され、高さ5.4m、直径20mの盛土で出来ている。麓の崖から距離は短いがかなりきついゴツゴツ道と、一方には緩やかな石段の登山道が有る。頂上に立つと周囲は雑木の根が所狭しと這い、中央部は皿のように凹み、富士山頂のお鉢めぐりが出来るようになっていた。遠くには用水超えに川口の田園、街が望める。麓を眺めると小さなお社と鳥居が見えた。登山道の入口の崖には今は塞がれているがお胎内が有った。記念撮影をして下山。お社を参拝した後、木曽呂富士塚から見沼代用水東縁を渡り通船堀東縁を歩いた。通船堀は享保16年(1731年)2本の見沼代用水とその間を流れる芝川とを繋げるために作られたわが国最古の閘門式運河(通船堀東縁、通船堀西縁)で、その間の3mの水位差を調整することにより船を運行させ芝川、荒川を経て江戸との物資の輸送に利用された。通船堀東縁から芝川、水神社、通船堀西縁を経て見沼代用水西縁を歩き、17時頃東浦和駅近くの用水堤防の桜の下でビールで乾杯した。今年の桜は早く咲き始め、今日はどこも満開で絶好の花見を楽しんだ。18時に東浦和駅で解散した。
以上

 フィールドワークINDEXへ

Copyright(C) Y-Kondo