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AGC資料- 3
相模野基線探索
 
 
    
基線中間点の役割について
     
第一回フィールドワークの際、疑問の残っていた相模野基線・中間点の役割について、AGC会員の松本好正氏が国土地理院の小荒井衛氏経由で測量部の高橋測量課長に調べてもらうことができました。
相模野基線の調査について

2001/6/11 高橋保博

調査結果を報告します
資料は次の3点です
①測地学委員会報告第壱巻「明治35年相模野基線測量」(委員 陸地測量技師 杉山正治 嘱託員 理学博士 大谷亮吉)
②測地学委員会報告第弐巻「明治43年相模野基線測量」(委員 陸地測量技師 杉山正治 嘱託員 理学博士 大谷亮吉)
③測地便覧(昭和14年度版)

これによると、相模野基線は明治15年に参謀本部測量課(後の陸地測量部)で選定し、米国製「ヒルガルド」式4メートル測棹で測定した。基線は三等分して、二箇所の中間点を設けた。

南端より第一中間点      1597.5432m(3回測量の中数)
第一中間点より第二中間点 1867.5336m(2回測量の中数)
第二中間点より北端点    1744.8928m(2回測量の中数)
全長               5209.9696m

となっています。その他、明治35年の作業では、求直線測量を行っています。

南北両端点より2605mの位置に、1mの高さの一等経緯儀台を建設、一等観測を実施した。さらに両端点からそれぞれ 1302.5mの地点に、木造の仮設経緯儀台を設置して中央点と両端点の角度を測り直線性の点検をしています。

このとき中間点と端点補助点の埋標をしています。質問にある中間点はこのときの物ではないかと思われます。(明治15年には両端点と第一、第二中間点に埋設を行いましたが、中間点は現在では不明となっています。)

これらの資料につきましては、国土地理院図書館で閲覧できます

以上の内容で漸く、中間点の役割が理解できました。

つまり、基線南端点と北端点の正確な距離を測定するのに、3等分してそれぞれ正確に距離を測り合計して基線間の距離を確定したわけですが、両端と第一、第二中間点が、直線上にあることを点検するために、両端から別の点を設けて三角測量を実施し更に仮設の点との中間点と両端との角度を測って4点が直線上にある事を確認したようです。

この結果第二中間点は直線上にあったが、第一中間点は直線より約40mm東に偏在していたことを発見したと記録にあります。

我々が確認した中間点は直線を点検するための四等三角点となっているもので、基線の両端を測定するために設けた第一中間点、第二中間点は現存していないということでした。

高橋保博様、小荒井衛様 ありがとうございました。

2001/7/6

2001/6/20 分水嶺倶楽部HPより転載

 
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